ダニエラは目を覚ましたとき、喉が痛かった。
彼はアルティメットレミングというゲームに夢中になっていた。そのゲームでは、レミングたちを様々な罠や障害物にぶつけて、どれだけ痛めつけることができるかを競うのだ。
ダニエラは自分のレミングたちに愛着を持っていたが、同時に彼らの悲鳴や苦しみに快感を覚えていた。彼は自分がサディストなのかもしれないと思ったが、それでもゲームから離れられなかった。
ダニエラは起き上がって、水を飲もうとしたが、喉が痛すぎて飲み込めなかった。彼は慌てて鏡を見たが、そこに映ったのは自分ではなく、レミングだった。彼は驚いて叫んだが、出たのはレミングの鳴き声だった。ダニエラは自分の体を見回したが、レミングの姿しか見えなかった。彼はパニックに陥ったが、そのとき、画面の端から巨大なカタパルトが現れた。それはアルティメットレミングのゲームの一つだった。
ダニエラは恐怖に震えながら、自分がカタパルトに乗せられることを悟った。彼は必死に抵抗したが、無駄だった。カタパルトは発射され、ダニエラは空中に飛ばされた。高く上昇したが、やがて重力に引かれて落下し始めた。
ダニエラは地面に向かって急降下する自分の姿を見て、絶望した。彼はこれで死ぬのだと思った。彼は神に祈ったが、神は聞いてくれなかった。ダニエラは地面に激突したとき、最後の悲鳴を上げた。
そして、目を覚ました。
やれやれと自分の顔を覆った手を見てギョッとした。その手はレミングのままだったのだ。ダニエラは気づいた。これは現実ではなく、まだ夢の中だ。そして、この夢から逃れる方法はないのだと。
ダニエラは泣き叫んだが、誰も助けてくれなかった。
No.032|アルティメットレミング https://one.maruch.net/story/459