トーニーはボクシングジムのオーナーだった。彼はアフガンで戦ったことがある元兵士で、強い拳と優しい心を持っていた。
ある日、彼はジムの前に置かれた箱を見つけた。中には小さなトナカイのぬいぐるみが入っていた。トーニーは不思議に思いながら、ぬいぐるみを手に取った。すると、ぬいぐるみは突然しゃべりだした。
「私は鉄拳トナカイと呼ばれる伝説の拳士。ヨシオと言います。」
トーニーは驚いてぬいぐるみを投げ捨てたが、ヨシオはしつこくついてきた。
「あなたと一緒にボクシングの世界チャンピオンになりたいのです。」
トーニーは信じられなかったが、ヨシオの熱意に押されて、仕方なく彼を受け入れた。それから、二人は毎日一緒にトレーニングをした。ヨシオはトーニーに技や戦略を教え、トーニーはヨシオに人間の感情や友情を教えた。二人はすぐに仲良くなり、ジムの仲間や近所の人々からも愛された。
特にピザ屋の娘ベルは、トーニーに想いを寄せていた。
ある晩、トーニーはベルとデートに行くことにした。ヨシオも一緒に行きたかったが、トーニーに「これは大人の時間だ」と言われて断られた。
ヨシオは悲しくなって、ジムで一人で寝ることにした。
No.015|鉄拳トナカイ https://one.maruch.net/story/329