アキラは家電の中に住んでいた。彼はテレビや冷蔵庫や電子レンジと仲良くなって、彼らの声を聞いていた。彼らはアキラに世界の様々なことを教えてくれた。アキラは世界に興味があったが、家電の外に出ることはできなかった。
ある日、彼はテレビでペネロペという女の子を見た。アキラは一目で恋に落ちた。
彼はペネロペに会いたいと思った。彼は家電に助けを求めた。
「コレデ壁ヲ壊シテ、外ニ出レバイイ」と言って、家電はアキラにハンマーを渡した。
アキラはハンマーを持って壁に向かった。
そのとき、土砂降りの雨が降り始めた。雨水が隙間から入り込み家電に触れると、家電は火花を散らしてショートしてしまった。アキラは家電の声が聞こえなくなったことに気づいた。
「俺のターンだ」とアキラは呟くと、ハンマーで壁を叩き続けた。
やがて、壁に穴が開いた。アキラは穴から外に飛び出した。
彼はペネロペに会いに行くつもりなのだ。
穴から這い出したアキラが見たのは、巨大な建造物だった。
No.27|カルトサンズグローバル https://one.maruch.net/story/428