No.008|続・五月雨のクミコ

クミコは書類を書き終えた。彼女は疲れていたが、明日の締め切りに間に合ってほっとした。
彼女は机から立ち上がり、靴を履こうとした。しかし、何かがおかしいと感じた。靴の中に何かが入っているようだった。彼女は靴をひっくり返してみた。すると、磁石がたくさん出てきた。

どうやら、お隣さんの子供がいたずらをしたらしい。クミコは苦笑しながら、磁石を拾い集めた。そのとき、外から雨の音が聞こえた。彼女は窓を見て驚いた。雨が激しく降っていた。傘もないし、タクシーも見当たらない。

どうしようと思ったとき、ドアがノックされた。クミコはドアを開けると、お隣さんが笑顔で立っていた。
「すみません、子供が靴に磁石を入れてしまって……」と謝罪した。
「大丈夫ですよ。面白かったです」とクミコは言った。

「それにしても、雨がひどいですね。どこか行かれるんですか?」とお隣さんが尋ねた。
「実は、明日の朝までに郵便局に書類を出さなくてはならなくて……」と困った様子でクミコは答えた。

「そうなんですか。じゃあ、私の車で送ってあげましょうか?」とお隣さんが提案した。
「え?本当に?ありがとうございます!」とクミコは喜んだ。
「では、さっそく行きましょう」とお隣さんは言って、クミコの手を引いた。

クミコは靴に磁石を入れてくれた子供に感謝した。おかげで、お隣さんと仲良くなれそうだ。

No.008 – 続・五月雨のクミコ https://one.maruch.net/story/175

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